概要
センターの目的
島根県のように人口減少が深刻化し、産業・経済の活力低下が進む地方においては、「地方創生」への取り組みが喫緊の課題となっています。こうした地域で今後特に重要となるのは、人・モノ・情報のグローバルな流れを積極的に活用し、国境を越えて地域産業社会を担う人材を育成する体制を構築することです。
とりわけ、国内外の理工系分野の学生が、海外の異なる価値観や最先端の研究に触れる機会を持つことは、独創的な研究や新たな企業活動の芽を育てるうえで極めて重要です。こうした経験を通じて、将来、地域の産業・経済のみならず、文化・学術の発展にも貢献できる人材を育成し輩出することで、地方の国際競争力の強化と地域活性化を同時に推進していく必要があります。
このような考えのもと、島根大学は、これまでインドの大学との間で築いてきた協力関係を基盤として、人材育成に共同かつ集中的に取り組む国際交流プロジェクトを立ち上げるとともに、プロジェクトの実施母体となる「日印グローバル教育・研究センター」を設置しました。また、本プロジェクトの実施にあたっては、文部科学省が実施する「2025年度「大学の世界展開力強化事業-グローバル・サウスの国々との大学間交流形成支援:タイプⅠ(インド)」に応募し、2025年度から2029年度までの5年の期間で採択されました。
「日印グローバル教育・研究センターを核とした国際競争力強化―地域活性化のための『島根モデル』の創出―」と題する本プログラムでは、本学のインド協定校との協力体制のもと、日印両国の学生の相互派遣を通じて、人材育成に包括的に取り組むことを目指しています。
大学の世界展開力強化事業とは
「大学の世界展開力強化事業」は、2011年度から文部科学省が実施している支援事業で、グローバル社会で活躍できる人材の育成と、日本の大学の国際的な教育力の強化を目的としています。学生の海外留学や外国人学生の受入れ、オンライン教育などを通じて、特定の国・地域の大学との質の高い国際教育連携を推進する取組を支援しています。
文部科学省HP https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/kaikaku/sekaitenkai/
日本学術振興会HP https://www.jsps.go.jp/j-tenkairyoku/

センター長からのメッセージ

日印グローバル教育·研究センター(JIGER)は,日印間の連携枠組みを体系的に構築し,教育・研究・人材育成の統合的発展を推進する戦略的拠点として,2026年1月に設立されました。島根大学とインドの諸機関との長年にわたる学術連携を基盤とし,JIGERは個別の協力関係にとどまらず,国際連携の統合的かつ拡張可能なモデルを構築することを目指しています。それは,グローバルな協働を通じた地域活性化のモデルとなり得るものです。
このビジョンの実現に向けて,JIGERはインド工科大学ハイデラバード校(IITH)をはじめとするインドの教育・研究機関と緊密に連携するとともに,学術界,産業界,政府機関,資金配分機関,自治体,地域社会など,あらゆる関係主体との協働を推進しています。JIGERは,サマー·スクールやスプリング·スクール,IITHとのデジタル証明書の共同発行,体系的な教育プログラムの開発,共同指導による研究プログラム,ハイブリッド型およびオンライン学習の効果的活用などの取り組みを通じて,多様な越境型学修機会を提供しています。また,継続的な学生および教職員の交流と,より深い機関間統合を可能にする大規模モビリティ·プログラムの拡充にも取り組んでいます。
さらに,地域産業や自治体と連携したインターンシップ機会の創出や,国際共同研究の推進を通じて,地域活性化と社会貢献に強い使命感を持つグローバル人材の育成を目指しています。私たちは,学生および研究者がJIGERのプログラムを通じて新たな挑戦に踏み出し,新しい世界を切り拓くことを奨励しています。多様な文化,価値観,課題解決のアプローチに触れる経験は,知的視野を広げ,協働による革新を生み出す力を高めるものと確信しています。
共有されたビジョンと協働の努力を通じて,JIGERが人,機関,地域をつなぐ持続的なプラットフォームへと成長し,将来世代にわたり学術的卓越性と持続可能な発展を支える架け橋となることを目指しています。このビジョンに共感するすべての皆様とともに,協働的かつ持続可能な未来を築いていくことを心より歓迎いたします。
日印グローバル教育・研究センター長
へマンス・ヌータラパティ 准教授
